亜音オカリナ「コンサート」モデル 単なるミドルクラスではない「響き重視」の新作 [工房系オカリナ]

「のんぼうのオカリナ工房」の製作者:山本さんの現時点に於ける
最新作「コンサート」モデル AC管です。

写真1.jpg

そうは言ってもリリースから半年近くは経っているでしょうか?
(まだ限られた本数しか市場には出回ってないようです。)

一応、最上級モデルの「エル」~「スタンダード」の中間に位置付け
られる「コンサート」モデル(25,000円)ですが・・・

しっかり吹き込み、味わった末、単なる「上級~中級~初級グレード」
のような、階層付けラインでは無く、【テイスト、表現力】を異にする、
別ラインと考えた方が良いと確信しました。

「エル」との単なる上下関係には無いということですね。

さて・・・ちょっとだけ横道に逸れますケド・・・

今更ではありますが、「絶対的安定感」で亜音を越えるオカリナは未だに存在
しない!・・・と断言できるほど、山本さんの作品は高性能を誇ってます。

そのイメージリーダー的存在が「亜音」スタンダード・・・ですね。

じゃー、「唄える、表現できる」オカリナか・・っていうことになると、
「スタンダード」モデルはそれに、当てはまらないと僕は思っています。

安定感に加え【表現力=響きのコントロール性】が備わってくるラインは、
今回紹介する「コンサート」モデル以上からではないでしょうか。

「コンサート」モデルの外観は、「旧オーダーモデル」と似てまして、
「エル」と比較するとシンプルではあります。

エルとは「土質と焼成方法が異なる」と聞いたような・・・?

さて、いよいよ「エル」との違いなのですが・・・

全体的な安定性と音の拡散性、特に音色の豊潤さに関しては「エル」の方が
優れていると感じました。

優れているというよりも「より明確、より魅力的」の方が、表現としては
良いのかも知れません。

しかし、「表現の余地度、息質の変化に対する響きの追従性」に於いては、
「エル」をも凌ぐ独自特性がハッキリと確認できました。

写真2.jpg
(歌口、周辺部の造り込みの進化が見て取れます。)

「コンサート」は亜音の全モデルの中で、息質に対して・・・

良い意味で一番「センシティブ」なのです。

高音部にアプローチする際、全く息質を考えずに吹き込んでもなんとか
なってしまう「スタンダード」とは全く異なります。

丁寧に柔らかい息を送り込んであげることによって、音色の質、響きが
変化します。

従って「超絶対安定」タイプでも無いわけですね。
(あくまでも亜音ラインの中で)

演奏者の息質クオリティー、もっと言うと「上手い、下手」がハッキリ
わかってしまう仕様・・・。

全体的な息量は「エル」よりもやや少なめですが、高音時にはしっかりと
意識して息スピードを上げていく必要があります。

また、明瞭で煌めき感のある「エル」の音色に対して、「コンサート」は
「ややあっさり」・・・というか

クール(落ち着いた)な感じ・・・。

「エル」同様、響きに<コモリ(籠もり)感>などは全く存在しませんし、
高音部も極めてクリアです。

この「コンサート」モデルは、「唄える、表現力のある」オカリナである
ことに疑いの余地はありませんし、より「響き」を重視される方には
とても良い選択肢になるでしょう!

亜音「スタンダード」から、ステップアップをお考えの方で、やや息量が
少ない方、女性の方は・・・この「コンサート」がおすすめです。

ステージでのソロ等で、安定感+演奏を立体表現、しっかり主張するには
「エル」が打って付けでしょうか。

亜音「コンサート」モデル AC管は・・・既に

絶対的安定性と表現力を併せ持つオールラウンド「完結型」オカリナ
一翼を担う(亜音「エル」、「ヒロミチ」と共に)」名器であると言っても
過言では無いと思いました。
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