アシダ音響ST-90-07-K(ヘッドホン)の評価 [オーディオ&BCL(new3/new7で評論)]

総評:「Lo-Fi」にマッチするモニターヘッドホンとして秀一
今話題(品薄)の本機ですがレトロオシャレなデザインも気に入り入手しています。
本機はST-90-05の上位(高音質版)にあたる機種ですが、なぜか巷では評判が良くないようです。その点も確認していきたいと思います。
まず付け心地はオンイヤータイプとして軽さ&フィット感共にとても良いと思います。
肝心の音質ですがエージング無し状態で下位の「05」と比較すると明らかに低音は出ていません。また高音がピーキーでキンキンとした耳障り感を覚えます。正直、酷いバランスだと思いました。
我慢して48時間ほどエージングCDをかけっ放しにしてみました。すると驚きの『激変』ぶりです。
低音は「05」よりもやや弱めですがボワつかず心地よいタイトさがあります。
エージング前は高音が突出していましたが中音〜高音のつながりも滑らかになり、抜け感も良く全体バランスはとても良好です。
解像度に関しては4-5万円以上のミドルクラスと比較するのはナンセンスです。ある意味『中庸』であり(05よりは高い)値段(9000円ほど)からすると必要十分でしょう。
音場はあまり広くはなく「05」よりもやや平面的です。全体の音質バランスからすると本機はクラシック、イージーリスニング、Pops、ややソフトなAOR&fusion向きで現代の打ち込み系、ロック、熱量のあるjazz系には向かないと思われます。
「05」の方が低域の量感があり中音域が濃密なのでこちらの方がマッチするでしょう。
オールラウンド性とコスパの高さですと間違いなく下位機種の「05」です。
今回の比較で本機は「05」の上位、高音質版という位置付けではない(実体として)と感じました。強いて言うのであれば「フラットでよりモニター調」でしょうか。
「05、本機」共にハイエンドのDAPやオーディオアンプで常用するレベルのヘッドホンではありません。
SONYウォークマンであればNW-A300以下の機種、カセットプレーヤー、スマホでのサブスクリスニングがベターでしょう。
本機の「中庸さ」は低ビットレートの音楽ファイルやローファイ・プレーヤーの「粗(あら)や刺々しさ」を適度に丸めて心地よい(聴きやすい)サウンドへと昇華してくれます。
リーズナブルで肩肘張らないオーディオシステムで「気軽に音楽を愉しむ」
そのようなニーズに適したヘッドホンであり、もちろん幅広い世代におすすめできます。

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