吟友工房の『アルジェント』モデル 計り知れぬポテンシャルと唯一性 [工房系オカリナ]

新年明けましておめでとうございます!

久し振りのブログ投稿となります



待ちに待った『ともちさん』のアルジェントモデルが到着してから・・1ヶ月以上経ってしまった


仕事に忙殺されてしまってレビューが遅くなってしまったことをお詫びします


さて、ともさんの「吟オカリナ」はこのアルジェントモデルで4本目(全てAC管)となる


僕も過去ブログに何度かアップしてきたが、現存のオカリナ作品に於いて『先進性と安定性+オリジナル性(+コスパ)』の観点から、既にトップクラスである(図抜けている)


近年の料理界や職人の世界は『弟子入りして何年も修行し、やっと独立』的な古典的師弟関係スタイルが良い意味で崩れつつある


ともちさんは決してオカリナ制作歴が長いわけではない


センス+探究心、努力によって「これだけの素晴らしい作品」を短期間でこの世にプロダクトできる才能は素晴らしい!


ある意味、オカリナ界の常識を覆す、近代的スタイルと言えよう


前置きが長くなってしまったが・・


このアルジェントモデル、万人向けのバランサーオカリナとは対極にある、『振り切った』オカリナであることを最初に言っておく


IMG_0278.jpg


このオカリナは間違いなく『人を選ぶ』


僕のイメージだが、近い+比較すべき作品(AC管)は①亜音プレリュード、②ティアーモ・黒陶ソロモデル(大沢選定)<廃番>、③ヨシツカ、④子雷フォルテ・・となる


ある意味、パワー&ソロ系に分類されるわけだが、単にボリュームと音の前進力を稼ぐだけの作品ではない


特徴的なのはとてつもなく『分厚い内面』だ


一般的なAC管内面の5倍?以上の肉厚感覚である


全体サイズもカナリ大きいのだが、瓦焼き焼成のため「想像以上に軽い」


IMG_0279.jpg


そうは言っても『ティアーモ・黒陶モデル』より、100グラムほど重い(アルジェントは約400グラム)


さて、この内面の驚愕的厚みは、ストレートに深い響きへと変換されていく


『肉厚+大きさ+焼成の質』が豊かな倍音を生み、味わい深くかつパワフルな音色を押し出していくのだ


息圧と息量は感覚的には『ティアーモ・黒陶ソロ』と『子雷フォルテ』の中間だろうか


IMG_0280.jpg


当然だが中途半端な息圧では、このアルジェントは『鳴ってくれない』し、とても味気ないない音色になってしまう


さて、その響きの質であるが・・音に明確な芯が存在するが意外にも『すっきり+キレイめ』系だ


少なくとも『和的』ではない


音の濃密さは『亜音プレリュード』と同等であり、アルジェントの方がやや音色が明るめである


響きの感覚(倍音を強く感じられる)は、アルジェントも十分スゴイのだが『ヨシツカ』が突き抜け過ぎか?


IMG_0281.jpg


パワー系+安定系オカリナは一般的に「表現力が乏しい」とされているが、アルジェントはしっかりと息圧をかけての『豊かな表現力+コントロール性』を見事に両立している


さて、烏滸がましいがいきなりの総合的評価である


この管の価値は「安定した強い息圧+技術力」ないと引き出すことが出来ない


そういった意味ではフルートやトランペット等の管楽器経験者が有利ではある


しかし、単なるパワー系の息を吹き込むだけでは「響き」をこれまた引き出せない


つまり、腹の底から強烈な「裏息」を安定的に送りこむ必要があるのだ


それが可能であれば(奏者として)、この世で唯一の「パワーと響き、そして表現力」を両立したオカリナとなる


IMG_0282.jpg


具体的なイメージで現すと、亜音プレリュードと子雷フォルテのいいとこ取り、というか両オカリナの持ちうる特性がブラッシュアップ+融合された最強モデルということである


誰にでも薦められるオカリナではない


この計り知れぬポテンシャルを持った孤高の存在・・『アルジェント』


あなた次第では『オカリナのストラディバリウス』へと昇華させることが出来る・・かもしれない


僕はそうしたい!!

そしてこの作品に出会えたこと・・感謝しかない



コメント(0) 
共通テーマ:音楽
ルミガン
ラシックス