安定感と表現力の黄金バランス『吟オカリナ』 [工房系オカリナ]
「響き系オカリナ」、所謂『裏息』マストのオカリナは演奏がどうしてもセンシティブになる(主に火山系)
常にマニュアル車で走り続ける感じであり、テクニックも必須だ
ステージで使うとなると、季節や温度までが影響するのでそれだけでもエネルギーを消耗してしまう
その苦労と引き換えに『魂を揺らす音色と響き』を発する事が出来る
その対極にある亜音系はオートマティックタイプの雄である
歌口はティアドロップ(涙型)または三角タイプとなる
安定感は抜群、誰が吹いてもそこそこの音色で奏でる事が可能、だが・・
マシン的であり、情緒的な表現は難しい
上位グレードのエルは、もう少し『唄える』笛にはなっている
AC管は安定感を重視すると、失うものも多い
唄えない=感情表現出来ない・・となる
そのバランスは微妙であり、工房が苦労されているところでもある
現在の国内オカリナでその絶妙な味付けというか、バランスされているオカリナはやはり『吟』であろう
まず軽くて取り回しが良い
そして、安定感を保ちながら音色にふくよかさがあり、加えて驚くべき拡散力!
高音部も出しやすく、伸びやかで艶がある
また響きも情緒的であり、表現力にも長けているのが特徴だ
強いて言うのであれば、響きの重厚さがもう少し欲しいが、それは新作の「アルジェント モデル」がきっと解になっている事だろう
吟オカリナはACの初期と2年前?のモデルを保有しているが、時代でテイストが異なり使い分けも楽しい
安定感と表現力のバランスを亜音エルが8:2だとすると、吟ACは僕の見立てで6:4の感じだ
これは黄金バランスかも知れない
初心者、女性、ベテランにもおすすめ出来るし、表現力を求める奏者もきっと満足することだろう
更なる進化を期待したい!
2021-02-19 00:06
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