あえて問題提起・・・工房系オカリナの「息圧」対応 [オカリナ雑感&How-to]

先日のブログにも書かせていただいた「ソルジェンテ」の
「息圧別セミ・カスタムオーダー」はすばらしい、システム
だと僕は思っています。

現在の工房系オカリナの殆どが、製作者の「息圧」、「構え」
「演奏力」が基準になっているという状況に僕はあえて・・・
問題提起したいのです。

これは、どういうことかというと・・・

ユーザーに対して「私の(製作者の)オカリナ基準に合うなら
どうぞ・・・」

・・・ってこと(ユーザー視点ではない)なんです。

工房系オカリナとの「マッチング/相性」の最大の課題というか
問題は・・・

ユーザーの生まれ持っての「息圧、息量」に合うオカリナの
選択肢がめちゃくちゃ狭い、難しいってこと

特に問題なのが「弱息」の方

どんなに気に入った音色、響きを持つオカリナであっても、
大量の息、強い息圧を要求するオカリナでは吹きこなすことが
できません。

最近は量産メーカーも「強い息圧を要求」するモデルに「ノーマル
・ブレス」タイプを追加する等、ユーザーの息圧ニーズに対応して
いく傾向が見て取れます。

これは、当たり前といえば(マーケティング的に)当たり前のこと!

今は多様化の時代

ユーザーのニーズを汲み取れない商品、企業は淘汰されて当然
なのです。

これは、オカリナの世界も同じ事

「強めの息圧必須の工房オカリナ」・・・「弱息必須の工房オカリナ」

単一商品だけだと、選択できるユーザーは限られてしまいますよね。

僕が今後の工房に望むことは・・・

製作されているオカリナの息圧がどうなのか!・・・をしっかり分析して
いただき(案外、わかっていない・・・意識していない製作者が多い)

「強息圧が基準」オカリナであれば→弱息用

「強息圧が基準」オカリナであれば→「ノーマル息用」・・・のような

最低2ラインは用意されるべきではないかと思います。

そうでなければ、受注時にある程度、息圧対応ができること

特に「強い息を必要」とするオカリナ(工房)は、女性層やシニア
以上の層を掴むことができません。

要するに・・・「売れない」ということです。

オカリナ工房もかなりの数が乱立してきました。

なぜ、「うちのオカリナが(市場、ユーザに)受け入れられないのか?」

悩まれている製作者も多いのではないでしょうか?

その際に、「ユーザーは何を求めているのか?」をじっくり考えて
ほしいのです。

自分本位の「基準、常識」を1度ぶちこわしていただきたいなと

ただ、市場/ユーザーに迎合しすぎても「オリジナリティ」を失って
しまう可能性があるので・・・

どうか、そのあたりのバランスを考えて「息圧別」の製品を供給
していただきたいなー・・・・と願っています。


コメント(14) 
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コメント 14

名古屋おかりな

運指を3種用意されてる工房もありますが、苦手運指のオカリナだと音色等興味はあっても、結局長考の末購入を思いとどまる事もしばしば。
「息圧」同様、選ばせて貰えるようになったら良いですね~。

by 名古屋おかりな (2014-06-24 12:27) 

オカッチャ

arataさん、こんにちは。
職人は非常に真面目な方が多く(嫌みではありません。リスペクトしてます)職人のポリシーを貫く事と、融通の利く作品作りとのバランスが決して上手ではない方は多いとおもいます。
ただ、そういう決して器用ではない方(手先の事ではありません)じゃないと作る事の出来ない作品もあるし、融通の利く人でないと出来ない作品もある。
売れるのは明らかに後者ですが…
確かに作家さんのセンスに問題がある場合は「融通の利かなさ」は、ただの胡散臭さにしかならないですね。
でもポリシーを貫き通して認められる方も(オカリナ作家に関わらず様々な芸術家に通じる)いるし、認められなくても「彼の作品が一番好き」と言う方が少しはいたりするものです。
僕は、職人ぶったゼスチャーで頑固は嫌ですが、嘘をつかず誠実なのであれば、性格上融通が利かない人にも魅力を感じます。勝ち組とか負け組とかの概念は嫌いだし。
「あえて」と書く理由が分かる気がします。僕が書く内容は分かっていて前提の上で書いているのだと思います。
どうも文章にすると、堅苦しくなるようで、誤解なさらず。
基本的には良く分かります。
僕も「あえて」書いてみました。
by オカッチャ (2014-06-24 15:31) 

オカッチャ

僕のオカリナの弟子(女性)が小物のアクセサリー作りをしています。時々街の小さなイベントやフリマに出店してます。
時々「売れない」とか「手間かけた事知らないお客は『高い』という。ギリギリの値段設定なのに…」とぼやきます。僕は少し冷たく「じゃあ、売れ線を研究したら?」
弟子「私は安易に売れ線に走りたくない」
僕「じゃ今のままポリシー貫けばいいよ」
弟子「他人事だからそう言えるのよ」
僕「売れ線に走りたくないんだったら、売れないのをある程度覚悟して、いつか認めてもらえるまで続けるしかないでしょ。なんでも欲しがってもダメでしょう」と少し意地悪に言った事あります。
僕も違う事でそんなボヤキしておんなじく返されることも(笑)
by オカッチャ (2014-06-24 15:56) 

arata

名古屋おかりなさん どうもどうも
運指もそうですねー
一人でこつこつやってる工房は、別バージョンを作る
労力も、またストックしていく余裕も・・・・
厳しい~ってのが実体かもしれません。
良い落としどころがあってほしいですね。
by arata (2014-06-24 16:06) 

オカッチャ

arataさん、どうもです。
僕も同感です。
だからこそ職人気質が強い人はオカリナ職人1本は安易に始めてはいけない(笑)。ジレンマに陥るからです。
by オカッチャ (2014-06-24 16:35) 

オカッチャ

あれarataさんのコメントに返信したらコメントが無くなってました?
by オカッチャ (2014-06-24 16:38) 

arata

カッチャさん こんにちは

徹底的に拘り抜く職人気質の工房に、しっかりユーザー
がついてくる・・・もちろんありますね。

拘り抜くことによって、姿勢を曲げないことによって

・・・一部のユーザーが理解してくれればそれで良い

売れなくても構わない・・・

解ってもらえる時を待つ・・・

そのような孤高の姿勢を貫いているのなら・・・浄いですよね。

演奏活動が主体であったり、趣味の延長であったり・・・

サラリーマン兼業だったり・・・

生業(収入主体)が別にあれば、オカリナがあまり売れなくても
なんとか生計がたてられるかもしれません。

しかし、工房1本勝負・・・ナカナカ厳しい

拘りに徹すること・・・ほんとうにタイヘンダと思います。

まず、ファンを増やす(売上げ安定)・・・そこから拘りを
表現・・・ってのも考えてほしいなと

余計なお世話かもしれませんが・・・そう、願ってます。


by arata (2014-06-24 16:42) 

arata

オカッチャさん 過って消してしまったので
復活させました。 すみません!
by arata (2014-06-24 16:45) 

オカッチャ

アケタの創始者、明田川孝さんが本当に真面目な職人気質だったようです。おかげで生活はボンビーのドン底だったようです。奥様のカヅさんはそれでもオカリナを作る孝さんが好きだったそうです。何せ孝さんという人、お客が気にいった作品を「納得いかない。お代は返すから作品を返してください」と言う人だったようです。それは家族はたまったものじゃなかったと思います。でもそういう誠実で妥協出来ない人柄だったから、信用はハンパなくあったと思います。
水木しげるさんについても、家族はたまったものじゃなかったと。
第三者だから言えるのかもしれませんが、僕はそういう人ちょっと面倒くさいけど好きですね。
あるブログのオカリナ構造研究家の裏息づかいの方も(笑)、何か気後れしてしまってコメントはまだした事ありませんが、とても信用できる方のような気がします。ブログを読んでいると、オカリナだけではなく彼の生き方や思想がみえてくるようで。まだまだ裏息に気づいて半年くらいの僕は色々考えさせて頂いています。彼が作品を発表したら吹けるように精進しようと思える。やはり誠実で謙虚でかつポリシーのある作品は僕にとって芸術です。
by オカッチャ (2014-06-24 17:11) 

オカッチャ

連続ですみません。arataさんの過去のブログを読んで分かるのは、素晴らしい作品又は可能性を持った作品を応援したい気持ちがあるからこそ(売れてほしいからこそ)今回の記事なのでしょうね。
僕も応援してるアーチストさんは売れてほしいと思う。
by オカッチャ (2014-06-24 17:30) 

arata

オカッチャさん すばらしい音色と響きを放つオカリナでも・・・
売れない・・・ってのがあるのです。

残念でなりません。

工夫をすれば、なんとかなる領域ですから。

その原因の多くは何度も書いている通り「要求する息圧が
強すぎる」から

今や販売店的に「息圧が強過ぎる」、「高音が掠れる」
この2点が揃ってしまうと、「売れない、とても売りづらい」
商品になってしまうんですね。(ここがクリアにならないと
返品の可能性もあり)

ポイントは、ほんとうにこの2点です。

この2点をクリアするために、音色の質が変わって
しまう可能性もありバランス取りは難儀だとは思います。
しかし、まずはそれを作りきってしまうことが肝要では
ないでしょうか。

工房としてのポリシーが凝縮されたオリジナルは堂々と
残せばいいわけです。

車的に言えば、大衆車「マーチ」で稼ぎ、とんがった
ターゲットの「GT-R 」にもてる技術を集約する

こんな感じです。





by arata (2014-06-24 18:05) 

オカッチャ

いやはや、僕はオカリナ70本(オカリナ歴8年なので年間約9本買っている事になる)持っているのに、工房の作品はカンターレSFサウザンドリーブスSF木村SGピエタACの4本だけです。
工房に関してarataさんや坊っちゃんさんが遥かに詳しいので、あまりでしゃばり過ぎました(笑)。自分の特技を生業にするのはどんな分野の方も大変ですよね。だけど可能な試みはチャレンジしたほうがいいですよね。廃業してしまったら「こだわりの作品」も手に入らなくなりますからね。
by オカッチャ (2014-06-24 20:00) 

佐源治

熱いですね~~♪
よ~く分りますよ(^^;

「息圧が強過ぎるオカリナ」の工房
「息圧が弱すぎるオカリナ」の工房

私は現在進行形で、
この正反対とも感じられる息質の違う工房と関わりあっております。

自分の息質とは違うオカリナ作りに両工房とも挑戦中です。
私は自分の感じるままに勝手に意見を言っているだけなのですが、息質の違うオカリナを製作される方のご苦労は半端ないものです。

でも、
オカリナが好きで始められたお二方ですので、その情熱と努力には、ただただ圧倒されるばかりです。
2ライン完備される事を願って、
これからも応援を惜しみません(^^)

by 佐源治 (2014-06-24 21:30) 

arata

佐源治さん どうもですー
両工房さん・・・タイヘンかと思いますが、
よろしくオナガイします!

新たな展開を期待し、応援していきたいと
思います。


by arata (2014-06-25 07:58) 

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