カンターレ・4Cの新旧「EX/ES2000」を比較して [工房系オカリナ]

【響き系】オカリナの象徴でもある「カンターレ」は「裏息」を探求
する上で、僕にとっては「なくてはならない」存在になっています。

必然的に?最新~旧作(新作から2世代前まで)、各調管が集まって
きちゃいまして・・・?

今では「カンターレ」だけで、1(?)本〔ACが5本〕

これが、各世代~シリーズ毎に特性が、かなーり異なるから興味
深いのです。

その中でも同じラインながら、世代で「激しく」特性が違う・・・

「4C・EX(最新)」と「4C・ES2000(前期タイプ)→12年前」
を今回はピックアップさせていただきます。

写真3.jpg

「EX」シリーズはざっくり言うと「ミドルクラスかつ弱息仕様+
クリア系」で、「ES2000」はその、旧タイプということになります。

写真2.jpg

裏面を見ていただくと・・・歌口形状、壁、周囲の造り込みに新・旧の
差があることが明確に分りますよね!

写真1.jpg

まず最初に・・・この新・旧は<全くのベツもの>

現在カンターレは「GR」、「EX」、「スタンダート」とクラス分け
されていますが、極論になりますけど「3F(SF)」以下の機種は
どれを撰んでも、音色と響き、吹奏感(息量の差以外)に大きな違いは
無いと感じています。

現に僕が保有している「EX」は「GR」と必要息量が変わりませんし、
響きと拡散力共に「GR」を上回っている感があります。

ちょっと、横道に反れますが「カンターレ」を選択するときはカタログに
記載されている「必要息量や響き」は目安程度に考えた方が良いです。

個体によって全く特性が違うので、実際に試奏して自分の息質にマッチする
ものを「じっくり」撰ぶことが肝要!

「GR」=最上クラス・・・だから、こいつを撰んでおけば間違いない!
・・・なーんて、ことはありません! この考えは大間違い!

人によっては「スタンダード」がベストってことも多いはず

さて、本題に戻りますが・・・

カンターレは「響き系」オカリナの中でも「裏息」必須度が高く、4C
は特に吹きこなすことが難しい・・・所謂、難解オカリナですね。

その中でも、極めて難易度が高いのが旧作の「ES2000」

このラインが世に出ていた期間は短かったようで、それもそのはず・・・

「ES2000」を吹きこなせる人は、オカリナファンの中でもごく
少数と思われます=「難解すぎ」

プロ、講師であろうと・・・特性把握ができていないと絶対に吹き
こなせないAC管です。

上質の「裏息」を超安定的かつ低速で注ぎ込まないと、響きを
得られないばかりか、高音部は全く出てくれません。

表息かつ強息系の方は、低音~高音・・・全てコントロール不能

汚い音を吐き出すだけの欠陥オカリナだと決めつける可能性が大

半端な「裏息」では、手も足も出ない、「ES2000」です。

特に高音部「レ」から・・・(以下、分りづらい表現ですが)

まず奇麗に響かせる超狭い「裏息ストライクゾーン」を把握・・・

「腹圧+のど元開放形状」を完全固定しつつ、超低速の裏息を繊細に注ぎこむ

それをキープし続けなくては、高音部は直ぐに破綻 (T_T)

このときの身体の消耗は半端ありません・・・。

「ES2000」を吹きこなせれば、この世の「響き系」オカリナは
全て吹きこなせる・・・と言っても過言ではありません。

しかし、「カンターレ&響き系オカリナ」にかなりの拘りを持たれて
いる方以外・・・あえて手を出すべきAC管ではないと思います。

そう言っといて・・・なんなんですが~

この「ES2000」の澄み切ったクリアな音色(澱みや雑味が無い!)と
響きは、現行品ではまず味わうことができません。

歴代カンターレの4CではNo.1ではないでしょうか!
(クリアさに於いてソルジェンテより上)

僕はこの超難解「ES2000」を真っ直ぐの構えで、高音部までクリアに
安定して響かすことが出来ていますが・・・このことは

「裏息」という概念を体得仕切れた「証」だと思っています。

さて・・・

現行の「EX」にも触れておきたいと思います~

何度かこのブログでも取り上げてはいますが・・・

僕はこの「EX」がカンターレ・オカリナの特徴を一番
「表現できる、表現している」シリーズだと思っています。

高音部の澄み切った音色、心地よい響きは今となっては「カンターレ」
にしか出せないテイストです。

旧作から、かなり吹きやすくなっている(進化している)4C
ではありますが、その中でも「EX」が一番、コントロールし難い、
・・・難易度が高いシリーズであることは間違いありません。

「裏息」を使えていない方が、「カンターレ」を通販やヤフオク
で購入することは「ギャンブル」だと僕は思っていますが・・・

特に4Cに関して・・・

「EX」、「ES2000」、最初期「江春」から選択しない方が無難です。

訓練用としてなら「スタンダード」か「干支」シリーズを!

その前に「ピエタ」かなー
コメント(19) 
共通テーマ:音楽

コメント 19

坊っちゃん^ ^

激しく同意(≧∇≦)
by 坊っちゃん^ ^ (2014-09-20 17:41) 

坊っちゃん^ ^

私にとって、カンターレといい続けたのはこのES2000のことでした。

私が裏息を発見したのは割れ修理品のカンターレのおそらく標準品初期あたりのモデルではないかと思います。
偶然見つけたこの息遣いは偶発的なのかどうなのか、さっぱりわからなかったのですが、のちに処分するからともらい受けたのがこのES2000でした。
これを受け取り、この特性は完全に意図したものであることを確信し、名前をつけられないでいるまま、裏息以外の名前で表現し続けていました。

私が「キンキン耳に刺さりやかましい」と言われがちなピッコロ管の概念を完全にひっくり返せると確信持ってやれるようになれたのはこのカンターレのおかげでもあるんです。

このES2000に関してはカンターレを代表する美魔女(笑)奏者さんからの証言もあるんですが、リコーダー奏者のアドバイスを元にして生まれた楽器だそうです。(なんでこんな難解な特性を持たせたのかわからないとまで言わしめたカンターレオカリナでも異質なオカリナのような意識で見ていた様子)
リコーダー吹きのための特性を持たせたのでしょうか、
この息遣いが偶発的ではなく意図的である、と私に確信させてくれたのがこのES2000なんです。

とにかく不自然な息遣い、意識しないと響きの音色のストライクゾーンに入らない。
この特性を意識せず本番で使えそうと自然に使えるようになるまで随分時間がかかりました。

そしてしばらく表息に転換してると意識しないときれいな音色に出来なくなる。

それはES2000 4Cに限らず2Gでもそうです。

私にとって裏息を徹底して鍛え上げてくれた存在としてES2000は最高のトレーニングパートナーでした。

ちなみに、私のES2000は「P」マークの年式表記のないピンク箱。
製作時期が違うのでしょうか。



by 坊っちゃん^ ^ (2014-09-20 18:00) 

名古屋おかりな

裏息の練習していたら首に激痛が・・・以前より首の骨が変形手術が必要なのですが・・・・痛めてしまいました。(笑ってやってください!(笑))
でも会得し更に上達すれば(その日がくればですが!)arataさんのように水平でも響かせる事が出来る・・・・とてつもない目標であり希望です。

毎日、通勤車中でピエタのSFを咥えていたら風洞の口元が色あせてきましたが結果は・・・・まだ出ていません。
兆しが見えたシゲシゲさんが羨ましいですが、まだまだ諦めていません!

そういえばピエタAC、SFどちらも普通の息でも良い音色ですね。
でも裏息が出来たら更に・・・と思うとどうあっても諦められません。
なんかピエタに取り憑かれちゃったみたいでヤバイ!?(笑)
by 名古屋おかりな (2014-09-20 19:35) 

坊っちゃん^ ^

名古屋さん

実はさ、裏息を開始してから、首の前あたりの凝りが強いんですよ。
(笑)

原因不明の首の左右、
甲状腺のあたりではなさげなんですけどね、
ちょうど家内の車に乗ってた時の大破事故の後遺症が出てるのかという面もあるんですが、、、、前だからね〜

by 坊っちゃん^ ^ (2014-09-20 21:35) 

シゲシゲ

一般的にウィンドウェイの出口の上がなだらかな程、
「裏息」傾向がが強くなると認識しているのですが、
合っているでしょうか?
手持ちの4Cスタンダードに比べて、
写真のEX,ES2000はかなりなだらかなような見えます。
また、「裏息」の研究を始めてから、4Cスタンダードの高音域で
音程が下がり気味になってきたので、
EXを検討しようかと思っていたのですが、
安易にEXに走らないほうがよさそうですね。

>名古屋おかりなさん
まだまだ「兆し」の段階ですね。
鏡を見ながら喉が開いているか確認したり、
喉の奥で響かせるように声を出して歌ってみたりと
試行錯誤が続いています。
by シゲシゲ (2014-09-22 10:22) 

坊っちゃん^ ^

テルマエロマエに出てくる主人公役の阿部寛がタイムトラベルするときに必ず出てくる黒服の太った歌手の真似を息を出し過ぎずにしてみよう〜(≧∇≦)見様見真似(笑)

という点、裏息会得手段としてありと思います^ ^
by 坊っちゃん^ ^ (2014-09-22 12:12) 

arata

坊っちゃんさん ES2000、鍛えられるよね~w
赤箱が後期で青箱が前期みたい
by arata (2014-09-23 16:48) 

arata

名古屋おかりなさん ご自愛くださいませ

ピエタにハマッテますね~ 何よりです!
いずれ「響き」のコツを掴めますので、気長に
愉しみながらいきましょ!

by arata (2014-09-23 16:53) 

arata

シゲシゲさん 4Cスタンダードの
高音部の音程をしっかり上げきり
かつ破綻しない(息を入れすぎない)

これが安定的にできれば・・・よい傾向です!

by arata (2014-09-23 17:01) 

arata

シゲシゲさん そうですねー
EXはも少し待ってスタンダードを
完璧にしちゃいましょう!
by arata (2014-09-23 17:03) 

シゲシゲ

>坊っちゃんさん
>テルマエロマエに出てくる…黒服の太った歌手の真似
オペラ歌手のモノマネも、喉を開く参考になりますね。
今までは、海自の歌姫の眉間にしわを寄せた歌い方を参考にしていたのですが、
こちらも試してみたいと思います。
平たい吹き口族(庵)としては。
by シゲシゲ (2014-09-23 21:50) 

オカッチャ

カンターレ。
初めてオカリナに出会ったのが、当時カンターレという名が無かった頃の「平本さんのオカリナ」。
当時、長い放浪の旅をしてた。立ち寄った笠間の陶芸祭りで平本さん(現在カンターレの社長)がこぢんまりと出店していました。明らかに回りの陶芸家から浮いていました。
しかし出店場所で奏でる、平本さんのオカリナの透き通るような音に魅了されてしまいました。それから15年程の年月を経た9年程前に、あるのっぴきならない理由でオカリナと【出会い直し】をしました。
だから僕にとってカンターレの響きがオカリナの原点なのです。
by オカッチャ (2014-09-24 00:49) 

坊っちゃん^ ^

人工裏息補助装置、発見w


by 坊っちゃん^ ^ (2014-09-24 00:49) 

オカッチャ

あれっ坊っちゃんさん、さっきどっかのブログでそんな記事見たじょ、笑。

さっきの続きですが、平本さんのあの音に魅了された僕はカンターレはEXで揃えたい。
by オカッチャ (2014-09-24 00:56) 

オカッチャ

そうそう、さっきの放浪時の笠間の陶芸祭りで平本さんが吹いていたのはほとんどSF管だったような気がする。
カンターレのブログでも「父の3Fの音はすごい」というような事が書いてありました。
実際僕も今だに今迄聴いたオカリナの音で、一番に心に残って頭から離れないのがその時の平本さんの音です。
by オカッチャ (2014-09-24 01:21) 

yamabiko

最近この笛を吹きたく思っておりますが、愛媛の片田舎故直接触る機会が有りません。皆さんが色々コメントされればされるほど触ってみたいな~と。演奏会のyoutubeからの様子では良く解らないので、ホット息を入れてみたいなと。一か八かで注文するしかないのかな。悩むな~(笑)。

by yamabiko (2014-11-04 19:59) 

yamabiko

縁あってスタンダード4C、3FPOCP2G揃いました。
田舎の風景に合いそうな音色を色々と試み中。
くせに成りそうです。

by yamabiko (2015-06-13 13:16) 

MatAtople

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